トップ > 2011年度(社)長岡青年会議所 理事長所信

理事長所信
理事長写真

 社団法人長岡青年会議所は、創立55周年という新たな節目を迎えることができました。これもひとえにこの長岡のまちづくりに情熱を注いでこられた500名を超える特別会員の皆様、そして我々を支え続けていただいた関係諸団体の皆様のおかげと心より感謝申し上げます。
1954年9月5日戦後の混乱の中、長岡青年会議所は設立されました。「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと、第一歩を踏み出した長岡青年会議所は、「ひとづくり」「まちづくり」など様々な分野において、青年としての正義感、理想を追求する心、真摯な情熱という価値観のもと積極的に関わって参りました。それぞれの時代で手法や表現は変わっても、創始の志は今も現役メンバーの手で脈々と受け継がれ続けております。
しかし現実を振り返れば国や地域は物質的に豊かになった一方で、人々の心は豊かになったと言えるでしょうか。経済は世界的な同時不況からなかなか抜け出せない状況に有り、生命の尊厳など感じられない凶悪犯罪が連日のように報道され、年間3万人以上の人達が自らの命を絶ってしまう悲しすぎる現実。親が子を殺め、子が親を殺める目を覆いたくなる世の中。我々が信じている明るい豊かな社会とはかけ離れた現実がここにあります。こんな時代だからこそ、我々JCは地に足が着いた確かなJC運動を行う必要があります。景気がよければその勢いでJC運動に参加する、逆に景気が悪くなればJC運動は暫くお休みする、そのような主体性のない姿勢では社会は変えられません。いかなる状況下においてもJCが社会で果たすべき役割は不変です。明るい豊かな社会を築くために、未来に向けて希望が持てる社会を創るために、我々はJCとしての歩みを止めてはならないと信じています。厳しい状況下においてもJCがしなければならないこと、JCだからこそ出来ることを冷静に見つめ直し、それを見極め、活動に取り組んで参ります。そして厳しい時代だからこそ我々JCが真価を発揮する時であります。

会員拡大

 我々の組織は世襲経営者のサロンクラブではありません。また単なるボランティア団体でもありません。社団法人長岡青年会議所(以下、「長岡JC」とする)は、このまちを持続的に発展させることのできる真のリーダーを育成する場であると考えます。今後JC運動を展開していくためには、長岡JCの個々の会員が公共心やスキルを常に向上させていく必要があります。「地域のリーダー」や「青少年の模範」たらんとするのであれば、まずは、自らを厳しく律し、己の資質を高める取り組みが不可欠であると考えます。長岡JCは、会員向けのトレーニングセミナーを通じて、知性と品格を兼ね備えた地域のリーダーになれるよう自らの修練を続けて参ります。
また、全国の同志が毎年頭を悩ませている永遠の課題は会員拡大であります。日本JCの全国会員総数は1993年の67,309名をピークに現在は35,000名程に半減し全国的にも会員の減少に歯止めがかかっていない状況にあります。長岡JCではここ数年会員拡大に力をいれており、3年間で100名程の新入会員の受け入れをすることができました。会員拡大を成功させるためには手法もあるかと思いますが、一番重要な事は我々自身がJCに誇りを持つことであり、本気でJCを語れる人材をどれだけ多く育成できるかにかかっていると考えます。昨年長岡JC中期ビジョン5ヵ年計画が発表され、会員拡大の重要性についてLOM全体で意識が高まっているところであります。本年度も組織の継続的な発展、存続を見据え会員拡大を積極的に行って参ります。

誇りある地域資産

 人間の生活における3つの必要不可欠なもの「衣 食 住」という言葉がありますが、その中で人間が知恵を絞り、常に動き続けるエネルギーとして「食」というものは最も重要な要素であると考えます。しかし、我が国の自給率は先進国の中でも最低の水準にあり、40%台を推移し食物の大半を海外から購入しなければならない状態が続いております。今後世界的に見れば、2050年には現在の64億人から90億人超に人口が増加し食糧が不足していくという危機的な状況も考えられます。現在第1次産業には後継者、農業従事者の不足、収益の上がらない施策などからくる耕作放棄地の増加など、様々な問題を抱えておりこのままでは我々の食生活は大きな影響を受けてしまうでしょう。
その中で、我々の住む長岡地域は、海の幸、山の幸も豊富で、全国的にみても有数の穀倉地帯であり、日本の食糧基地としての役割を果たせるだけの土壌があります。これからも郷土を愛する気持ちを醸成し、JCが率先して地域の資産を発掘し、地域の方々へその魅力を伝えていきながら子ども達の明るい将来の生活のために、我々は活動していかなければなりません。

未来へ語り継ぐ平和への想い

 2009年10月私は全国会員大会の沖縄開催に伴い沖縄の地を初めて訪れました。南国の美しい海や景色がある一方、いたるところに米軍の占用地が存在し、住宅地のすぐ上に爆音を残し飛び立つ戦闘機を確認することができました。民間人を巻き込んだ激しい地上戦から65年たった今でも、まだ戦争が終わっていない現状をこの目で見て平和という言葉の重みを改めて感じさせていただきました。
昭和20年8月1日午後10時30分。米軍のB29爆撃機125機が100分にわたり焼夷弾約16万3000発を投下、旧市街地の約8割が火の海となりました。現在わかっているだけで1480名余の罪のない方々がお亡くなりになり、戦後65年が過ぎた現在でもその悲惨な歴史は語り継がれております。
日本の総人口に占める戦後生まれの割合は8割に近づいております。戦災体験者の高齢化に伴い、我々も生の声を聞く機会が少なくなって参りました。我々長岡JCは世代を超えて二度と起こしてはならない悲惨な体験を伝え、平和という重みを噛み締めるために「実体験」から「追体験」へと引き継いでいく活動を考えていかなければなりません。
我々長岡JCは、昭和59年から戦災殉難者の慰霊と恒久平和への願いから柿川灯籠流し事業を継続して参りました。本年度28回目となるこの尊い事業を長岡JCは平和を希求する団体として多くの市民に知ってもらい、活動する責任があると考えます。
また長岡JCは、戦後の復興祭である長岡祭り事業に長年参画して参りました。諸先輩方の情熱と行動力でその時代時代で形を変えながら現在に至っております。2005年度に立ち上げた夢神輿も震災後のシンボルとして、6年にわたり市民の皆様に親しまれて参りました。神輿渡御のルートや安全性の問題も指摘される中、本年度は見直しも含め検討し多くの市民の皆様に神輿渡御に参加していただく方策を進めて参ります。

公益法人制度改革

 1977年12月3日長岡青年会議所は、より一層の市民の負託と信頼を得るため「社団法人格」を取得致しました。昨今の政権与党による事業仕分けなどで多くの団体が廃止または、縮小等の決定がなされましたが、我々の組織は設立から「公益=まちにとって良いこと」を行ってきた団体であり、政府官僚の天下りの受け皿となってきたような存在しなくても問題のない団体ではありません。2008年12月1日からスタートした公益法人制度改革も残りわずか3年弱、決断のタイムリミットがすぐそこまでやってきています。公益法人制度改革がスタートしてから我々長岡JCはこの時期を見据えて何回も議論を重ね調査研究をして参りました。昨年7月我々と志を同じくする日本JCも公益社団法人格を取得し、全国のJCも次々と方向性を見出しておりますが、我々は未だ公益社団法人格か一般社団法人格のどちらを選択するか意思の統一をしておりません。今我々も本年度新たな一歩を踏み出し決議する時期がきていると言えます。
この公益法人制度改革を機に、長く輝かしい歴史を紐解き、長岡JCを語りながら納得いくまで議論を尽くし、青年会議所活動も根本から考え直すことが必要であると考えます。

全国会員大会誘致について

 長岡JCは、2004年新潟県中越大震災に際し多大な支援をいただいた全国に向けて、「復興からの感謝」を長岡から発信すべく事業を行っております。2009年度からは全国会員大会誘致というキーワードを視野に入れ、全国のJayceeの友情に報いる恩返しの形として検討に入り、昨年度は「ひとづくりはまちづくり」の考えの基で、誘致活動を通じたひとづくりを行うべく議論を高めて参りました。
ただ入会して間もないメンバーが多数いること、日本JCへの出向経験者が少ないこともあり、この大会を本質から理解できていないのが現状です。単にこの全国会員大会を行うことによってもたらされる経済効果により、メンバー企業が潤ってまちの発展に繋がるだけでは、この課題に挑むことができないことは明らかであります。なぜ全国会員大会がこのまちに必要なのか。この長岡から全国に発信するものは何なのか。全国会員大会でなければ恩返しが出来ないのか。そんな原点から我々はもう一度考えるべきではないでしょうか。我々の意思がひとつになり、強固な想いが発信できる準備が整えば形はどうあれどんなに厳しい命題であろうと必ず実現できることを確信しております。
これから我々は日本JC、北陸信越地区協議会、新潟ブロック協議会への連携を密にし、全国各地の仲間との友情を育み、将来を見据えながら検討を重ねて参ります。

愛する家族へ

 周りを海で囲まれている海洋国家日本。多発する他国からの領海侵犯からくる国益の毀損。北方領土問題、竹島問題などもありながらもメディアでの世界の出来事のようにあまり身近に感じていない部分でもあります。私達の希望に満ち溢れる生活や次世代の夢を実現させるためには自分の国は自分で護るという意識の変革を起こし、強く訴えていかなければならないと考えます。また、1970年から1980年にかけて北朝鮮の工作員により、多数の日本人が拉致され北朝鮮に連れていかれました。日本で認定されている拉致被害者は全国で17名おりますが、そのうち2002年の日朝首脳会談で帰国が叶ったのが5名であり、まだ解決に向けて政府の交渉は続いております。また、政府による拉致被害者の認定は受けておりませんが新潟県には北朝鮮に拉致の疑いのあるいわゆる特定失踪者の方が7名おられます。この7名の方ももちろん安否が分かっておりません。もし、自分の家族が拉致されたらどうしますか。そんな状況の自分を考えたことがありますか。今現在もこの恐怖は我々の周りから消えてはおりません。我々の国は自分で護るという活動に関心を持ち、国民の生命と人権を著しく侵害するこのテロとも言うべき拉致の問題に対し我々は真摯に取り組む必要があると考えます。

夢を持つ子ども達へ

 現在、子ども達の心の荒廃が深刻な状況であるのは強く感じているところであります。社会や地域の環境の変化により子ども達の心の置所が極端に少なくなってしまった今、その居場所をつくることが大人達の義務でありますが、子ども達に夢と希望を与える機会を提供することは我々に課せられた責任であると考えます。子ども達は、抱えきれないほどの夢や希望を胸に成長していくことで、生きることの意味を見出し、命の大切さを知り、愛情を育んでいくのではないでしょうか。次代を担う子ども達にこれらのことを伝えるためには、夢や希望を抱くことの大切さを体験から感じることで気づき、学んでいくことが大切です。その体験による気づきが感動となり、子ども達の心に深く刻まれて大人へと成長していくのです。
また、現在企業が求める人材の状況は、労働力の確保を優先された時代と変わって個人の生き方や社会人としての意欲、資質、高度な対人関係能力などが厳しく問われるようになっています。こうした状況を踏まえ、職業観の形成は社会や企業が求める人材の養成という役割を超えて子ども達が自立し、他者と協働して生活していく力を育む重要な意味を持っているのではないでしょうか。子ども達が自分なりの職業観を持つことが不可欠な時代となった今、我々JCも学校や地域と連携し、子ども達に働くことの喜びや大切さなどを自らの使命と感じながら伝えていきます。そして子ども達が、職場体験や職業人の講話などを通して職業の世界や働くことの意義について理解を深め、深く考えられる場を設けていきます。

愛するまちへ

 2010年3月に川口町を合併し新たに長岡市は人口28万人のまちに生まれ変わりました。近年、車社会の進展に伴い郊外には大型商業施設が出店し、幹線道路には全国規模のチェーン店舗が立ち並ぶようになり、スペースの問題から公共施設までが郊外に移転するようになりました。その結果駅前はシャッター通りと化し、長岡の顔とも言える駅周辺の町並みは近年寂しい限りの状況になっております。昨年は、私達が子どもの頃から慣れ親しんだ老舗百貨店も撤退し、魅力的な大型商業施設は駅前周辺にほとんどなくなってしまいました。これから市民協働のまちとして2013年には“アオ−レ長岡”の竣工、中心市街地の活性化といったコンパクトシティの取り組みが進められており今後の賑わいには期待が持たれるところであります。長岡JCはこの問題に対し、以前より行政と市民の協働を目指し活動して参りました。これからもJCとして中心市街地の活性化という課題を我々らしい発想で取り組む必要があると考えます。
また、2014年問題という言葉が我がまちには存在します。2014年度末に北陸新幹線が開業し、北陸、上越方面の都市は首都圏とのアクセスが飛躍的に向上し観光振興、企業進出、産業振興など大きく発展する可能性を秘めている一方、我々のまちは上越新幹線の本数減、それに伴う観光客の減少、産業への影響等地盤沈下が起きかねないリスクを抱えています。この将来の先行きも踏まえた中で我々はまちづくり団体として調査研究を重ねながら、市民一人ひとりがこのまちの課題を考えられるように立ち上がらなければならないと考えます。

地域力強化、連携と発信

 現在、地域において市民の手でまちづくりを考え活動しているのは、NPO 法人や市民ボランティア団体などJC以外にも数多く存在しています。今の時代まちづくりはJC だけではできません。私達は今まで築いてきた行政や各市民団体とのネットワークを活かし、地域が抱えている問題に対してJCがやるべきことを行動に移すことが重要です。近年、昔から地域に伝えられていた伝統文化の継承がなされず、郷土に対するアイデンティティーや郷土愛を育む機会が少なくなってきているのは、地域にとって大きな問題と捉えています。私達が既成概念に囚われないチャレンジを試み地域の人々と共に汗を流し、靴底を減らし信頼されることで地域力を高めることができます。そして長岡JCが地域力を遺憾無く発揮し、まちづくりを行うすべての団体、地域の人たちに今まで以上の地域力が備われば、市民意識は確実に変革し、この地域に心豊かな人が溢れるに違いありません。
また、設立からの歴史を紐解き、我々の活動の本質を理解し、市民のニーズにあった事業を展開し、社会に発信し続ける仕組みを構築する必要もあります。元来JCは発信するのが下手であると言われております。しかし情報化社会の発展に伴いインターネット等から多種多様莫大な量の情報が私達の手元に簡単に入る時代となりました。今後は効果的なメディア戦略等も検討しながら、長岡JCメンバー自身が広告塔になり誇りある我々の活動の素晴らしさを伝えていく必要があります。

長岡PRIDE

 「あなたと出会えて本当に良かった」と心の底から言った事はありますか。心の底から言われた事はありますか。感動して自然に涙がでたことはありますか。
我々が日々切磋琢磨し、仕事の合間に活動をし、折角の休日であっても事業を行うのは夢と理想を常に追い求めているからだと思います。まずは家族、友人に伝えてください。我々は希望に満ち溢れた次世代の為に、このまちの明るい未来の為に素晴らしい活動をしているのだと。我々が我々の所属する団体を誇りに思わずして誰が誇りに思ってくれるのでしょうか。我々の活動や団体に自らがプライドを持てないのであれば、それは自分自身を否定していることに他なりません。
今こそ、長岡JCのメンバー一人ひとりが「長岡JCで活動が出来て本当に良かった」と思えるように、プライドを持って「長岡JCに所属しているのだ」と胸を張れるようにしていかなければなりません。
私はこの長岡に生まれ長岡JCという素晴らしい学び舎に入会でき、自分を磨ける多くの機会が持てたことに本当に感謝しております。たくさんの仲間、先輩と共に汗をかき、感動を共有し、未来を語ることができたことは私にとってかけがえのない財産であります。
この長い歴史の中で受け継がれてきた不変の志「明るい豊かな社会の創造」を胸に我々は原点に立ち返り、新しい価値を創造することによって、人を惹きつける魅力を常に生み出し続ける組織を目指し新たな決意で活動して参ります。

「That service to humanity is the best work of life」   人類への奉仕は人生最善の仕事である (JCI綱領より抜粋)