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2016年度一般社団法人長岡青年会議所 理事長所信

理事長 五十嵐陽平

はじめに

一般社団法人長岡青年会議所(以下、「長岡JC」とする)は、昨年60周年という大きな節目を迎えることができました。これもひとえに60年という長い歴史の中で、その時代、それぞれに地域に必要とされ、「ひとづくり」「まちづくり」など様々な分野において情熱を注ぎ、青年としての理想を追求してJC運動を展開されてこられました、600名を超える先輩諸兄の皆様並びに、様々な場面で支えてくださった関係諸団体の皆様のお蔭と心より篤く感謝申し上げます。先輩諸兄が継承されてきた「進取の気概を持ち」創始の志を未来永劫に継承すると共に、郷土長岡の発展のために、青年らしく自ら汗をかき、力強い運動を展開し、「夢あふれる長岡の創造に向けて」、これからも逼進してまいります。

「絆」が生み出す無限の可能性

2005年、私はただなんとなく地域貢献をしようという安易な気持ちで長岡JCの門を叩きました。入会当初は自分なりに出来る範囲で力になろうという意識はあったものの、具体性に欠けるものでした。しかし、先輩や入会同期のメンバーと一緒に活動する中で、見えていなかったものに気づき、長岡というまちやそこに住む人について真剣に考え、学ぶ機会をいただき、少しずつ理解するにつれ自分の中にある価値観が大きく変わり始めました。 その中で、思い通りにならない時ほど人のせいにしてしまう自分がいて、自分のJC活動について悩み、苦しんだこともありました。人はそれぞれ考え方が違うことを徐々に理解するようになり、これまで自分が求めていたことに対して足りないものを非難するよりも、理解してくれる人や、支えてくれている人がいかに有難い存在であるかに気づきました。今まで見えていなかった価値に気づいた時には、自らそれに応えようと行動し、導いていただいた思返しをする意味でも結果を出そうと猛烈に活動いたしました。一つの目標に対し互いに切薩琢磨し、偽りのない本気の気持ちをぶつけ合い自然と生まれる「絆」は、長岡JCの宝であります。本年新たな歩みを力強く逼進する長岡JCにはなくてはならない「絆」は「LOMの基軸」であります。多くの絆は無限の可能性が高まり、未来へ向け夢あふれる創造に繋がり、多くの志高き人財が生まれると確信しております。

自身の変革から始まる可能性

人が最も人生において様々な事を学び土台を築くのは、20歳から40歳の青年期だと思います。
また、JCという組織のひとつの役割に、青年経済人を自負する若者を、地域のリーダーとして育成することがあると考えます。しかし、何事にも興味がなく中途半端な気持ちで行うと愚痴が出てしまう時があり、興味がないものにどうしたら前向きな気持ちになれるのか考えた時、非常に難しいことであり、自ら一歩を踏み出すことができません。我々は地域のリーダーとして、長岡JCという学び舎に入会したならば、まずは「自身を変革する心」を持たなければなりません。今現状の自身の限界値を考えた時、または今この一瞬を大切に思うのであれば、この限られた青年期を貴重な時間として学ばなければなりません。その第一歩が踏み出せれば、まだ見ぬ自分が必ずそこには存在し、多くの仲間を増やすことが出来ると確信しております。また、自分自身の限界というのは自分では決められないものです。誰かに背中を押してもらい、協力してもらい、自分では気づかない多くの支えがあり成長するものです。JCは単年度制でその年により役職が変わり、それぞれの役職で学ぶことも異なってきます。時には活動の中で厳しく叱略することもございます。しかしそれは成長してほしいという最大の愛情なのです。そして、役職を受け活動しているメンバーはしっかりとその役職を全うし、人を動かす力を向上させていただきたい。またそれは、JCの世界だけで通用するものではなく、地域の常識を踏まえて社会に通用するものでなければならない。自ら様々な事に正当化をして逃げるのではなく、自身の考えを見つめ直し限られた時間を大切にしていただきたい。そして、支えてくれている多くの方に感謝し、現在の自分という壁を乗り越え続け、地域のリーダーとしてまだ見ぬ自分を探し自身の限界値を上げていかなければなりません。

「何かを創造するには、まずは自分自身を変えることだ。」
人は感謝し感謝され成長する。感謝する心が無ければ自身の成長はない。皆様のお蔭で今の自分が存在する。

組織の可能性

長岡JCは長きに亘り、その時代ごとに輝かしい功績を築き上げてまいりました。その背景には多くのメンバーが時間を費やし、会議を重ね活発な議論を繰り返し、一つの目標達成に向かってたゆまぬ努力の積み重ねで、組織の基盤を築いてまいりました。本年も諸会議でより円滑かつ活発で効果的な議論ができ、構築過程でより磨きがかかった活動が行えるよう「組織強化の可能性」を見出し、LOMの発展を目指してまいります。
本年、長岡JCは公益社団法人日本青年会議所北陸信越地区新潟ブロック協議会(以下、「新潟ブロック協議会」とする)会長を輩出し、LOMへ新たな刺激を与える年となると考えます。この機会を活かしLOM以外で学べる出向の魅力を多くのメンバーへ伝えていきたい。また、本年は「公益社団法人日本青年会議所北陸信越地区新潟ブロック協議会第46回ブロック大会」を主管させていただきます。県内22LOMの各地会員会議所のメンバーが一堂に会し、新潟ブロック協議会の1年間の集大成を盛大に発信する場として設営し、長岡が誇る数多くの魅力を参加されたメンバーへ発信すると共に、今後の各地会員会議所の繋がりをさらに強固となるよう取り組んでまいります。

地域の可能性

近年では様々な地域団体が多く存在し、その特色を活かし地域発展のために活動しております。
また、「市民協働のまち」として新たに「シティホールプラザアオーレ長岡」がオープンしてから4年が経ち、行政と市民、地域団体と市民という「市民力」「地域力」の生きる市民協働で多種多様なまちづくり等のイベントが数多く行われております。今や長岡の宝である「市民力」「地域力」は、まちづくりの原動力となっており、様々な分野で協働によるまちづくりが展開されております。これからも地域と共に歩み続け、地域に必要とされる団体であり続けるために、「市民力」により一層磨きをかけ、まちづくりの重要性を地域の皆様と共に学び、自然環境や伝統文化のみならず、この地域の魅力を再発見または創造して発信し続けることも必要ですし、それを実現させる実行力を持たなければなりません。そして、市民や地域を巻き込み様々なまちづくりの可能性を模索していかなくてはなりません。
「長岡は観光地ですか」という質問に皆さんはどのようにお答えしますか。我々が住む長岡には数多くの誇れる資源が存在します。しかし、自信を持って「観光地です」と答えられるでしょうか。様々な問題がある中で、ふるさと長岡をさらに発展に導くには、長岡に住む人がまちをしっかりと知った上で、どのようにまちの発展に結び付けるか真剣に議論を行うことが必要になると考えます。長岡市は市町村合併に伴って広範な地域となり、各地域の資源が豊富になったこと を市民一人ひとりが認識しているのでしょうか。今後、長岡の未来を考えた時、広範な地域に点在する豊富な地域資源の活用や、魅力の発信方法を来訪者の目線で考えなくてはなりません。そして、地域・行政・青年会議所が互いに力を合わせ「夢あふれる地域」を創り、協働により互いに自身を成長させ、長岡の誇れる資源を広く発信し、「明るい豊かな社会へ向けて」あらゆる可能性を追求して、さらなるまちの発展に繋げてなければならないのです。
戦災復興祭として始まった長岡最大級のまつり長岡まつりは、長岡JC創立以来、その時代ごとに変化を遂げ、多くの市民と共に協働で創り上げ、地域活性の一助となっております。本年もより多くの市民と共に盛大に盛り上げるために、「市民協働」で創り上げる事業をあらゆる視点で検証し、さらなる地域活性に繋げてまいります。
本年で4年目になる「Nagaoka高校生フェスタ」にて、近い将来の長岡を担う活気あふれる若者と、地域の活性化を目指すと共に、長岡まつりにて盛り上げるという目的だけではなく、長岡の将来を自ら考え、自分たちがふるさと長岡を担っていくという、未来へ向けての責任感を抱ける事業を展開し、未来の長岡を描いてまいります。
2004年10月23日ふるさと長岡を襲った新潟県中越地震から本年で12年目になります。一日も早い復興と、全国からの支援に対する感謝の気持ちで、震災の翌年から長岡まつりの夜空に復興祈願花火として、長岡市民の想いを込めた復興祈願花火フェニックスが夜空に打ち上がりました。現在では長岡が誇る宝であり、「みんなであげようフェニックス」の呼びかけの通り、まさに市民協働の形態です。本年も、市民の想いが詰まった宝をより一層輝かせるべく市民を巻き込みながら「市民協働運動」として携わってまいります。

未来を担う次世代へ

近年、経済成長、交通・情報通信システムの急速な設備など、様々な分野における進展は日本社会を著しく変貌させた。人々の生活水準は向上し、生活は便利になりましたがその反面、人々の生活の中でゆとりを失い、慌ただしいものになってきたことは否めないと思います。このような社会全体の大きな変化の中で、子供たちの教育環境も大きく変化したのは事実でございます。我々大人は子供に対し教育者であり、家庭や地域の教育によっては子供の成長は大きく変わります。無限の可能性を秘めている子供は未来の宝であり希望であります。その子供に我々大人は何 をしてあげられるでしょうか。青少年期とは大人への準備期間であり、人格の基礎を築き将来に夢や希望を抱いて、自己の可能性を築く時期でなくてはなりません。また、全ての子供が持つ好奇心に対し、我々大人は「ゆとりがない」などという理由だけで子供の質問に対し適当に答えてはないだろうか。「失敗を繰り返し成功に繋がる」とよく言われましたが、失敗とは経験だと思います。好奇心が無ければ経験にもつながりませんし、失敗にも至りません。まずは好奇心から全てが始まるのです。本来、子供が持っている「旺盛な好奇心」を大人がどれだけ持たせてやれるかが非常に大切になってくるのです。我々大人が、親が正しい知識を子供に伝えられるようにまずは、大人が責任を持ち教育者として成長し、大人が夢を持って次世代を担う子供たちのために、今を生きている我々が未来に対し責任を持ち未来予想図を描き、導ける魅力ある大人にならなければならない。そして、子供たちの無限の可能性を引き出し、子供たちが自己や社会の様々な物事に関心を抱き、青少年期で得た経験や知識を、これから起こりうる大小様々な壁にぶつかった時に乗り越えられる「生き抜く力」とし、次世代を担うものとしての行動の原動力となるように、今できる精一杯のことを青年会議所だから出来る様々な機会を活かして運動展開してまいります。

次世代へ語り継ぐ可能性

昭和20年8月1日、我々のふるさと長岡の旧市街地は空襲を受け、多くの尊い命が奪われました。悲惨な戦争が終戦し昨年で70年を迎え、日本中の国民が心静かに振り返り、平和を願った年になったのは違いありません。長岡空襲により犠牲になられた方々を悼み、悲惨な戦争の記憶を風化させることなく平和の尊さを後世に語り継いでいくために、長岡市でも昨年新たに8月1日が「長岡市恒久平和の日」として条例が制定され、広く市民に平和への意識が高まった年になりました。現代を生きる我々の責任として、復興に力を注いだ先人への感謝と、今ある日々の生活に感謝し、知識だけではなく自分自身への想いへと考え方を新たにして、「平和の尊さ」を地域に伝播し、戦争が賓す悲惨な史実を風化させることなく、未来永劫と繋いでいかなくてはなりません。そして、戦災殉難者の慰霊と恒久平和の願いを込めて、本年も「柿川灯龍流し」を執り行います。

結びに

「成功は他人のせい 失敗は己のせい」

40歳までの限られた時間で、どの様に自身の成長に繋げるかはメンバーそれぞれ違います。失敗を恐れて行動を起こさないよりも、行動を起こし失敗を経験する方が素晴らしいことなのです。我々の運動に失敗はありません。JCでの経験は全て自分自身の成長に繋がり、このまちを支えていくリーダーとしての力となるのです。また、守らなければならないものがあるからこそ、成長し続けなければならない。この青年期に多くを学ばなければ、ふるさと長岡の発展どころか、愛する家族も守ることは出来ないのです。決して何事にも逃げることなく「進取の気概」を持ってチャレンジをしていただきたい。目の前に成長というチャンスがあるならば一心不乱で掴み取ってほしい。そして、成長という時間の中で支えてくれている方への「感謝」する心を常に持ち、限られた時間を「メンバーの絆を礎に」これから起こり得る様々な困難を乗り越えられる組織を創り、明るい豊かな社会を目指し共に物語を描いていこう。

「全ては次世代を担う子供たちのために」
いくら理想を掲げても、いくら情熱があっても一人で成し得るものは決して多くはない。
たった一人で見た夢が、信じあえる仲間がいれば多くの可能性は広がる。